葬儀の翌日
義父の特養の部屋を引き払いに行った。
言われた期日に猶予はあったが、
早い方が良い。
（きっと待っている方がいる！）
施設には、お菓子折りのお香典のお礼をして
義母の部屋にある義父のお骨にお参りをした。
特養のお義父さんの部屋
荷物は服が中心。
小さな箪笥と車椅子は義母の部屋へ運んだ。
衣類の収納棚もあるけど
分解したら、かさばらない。
思えばこの収納棚は、
あまり使用はされなかったけど
（義父は入所後、入院していたから）
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でも、
（片づけると紙袋に入る位の大きさになるんだよ。）
介護施設用に、お勧めです。
洋服整理は
義母と夫もいたが
この２人は
「捨てれない人達」
なのでワタシが分類する！！
洋服の分類ならまかせて！！
義父の前の有料老人ホームで頂いた古着も
大量にあるので、容赦なし！！
袖の長さが合えば
義母が部屋着として着れそうなものもあったので
本人に聞きながら取り分ける。
（メンズＬサイズは、婦人の３Ｌ～４Ｌ位。有効活用！）
夫も
きれいでサイズの合うものなら
着用できると言うので、それらをピックアップ。
あとは、義父が気に入って着ていた服と
捨てるにはもったいない服を２枚ほど選び
あとは全部処分！！
義父の服は
ワタシの購入した服が多かったので
気持ち的に片付けがラクだった。
義母も同じ特養なので、消耗品や雑貨はそのまま
使えるし、
荷物を一度に運ばなくて済むのも助かる。
スムーズなのは良いね。
夫婦が、同じ施設で良かった。
亡くなると、他にすることがある。
まだ用事は終わらない。
義父の場合、
急いでした方が良い手続きは以下である。
年金受給停止
介護保険資格喪失届
住民票の抹消届
世帯主の変更届
遺族年金の請求
生命保険金の受取り
手続きには色々書類が必要なので
とりあえず役所に行くことになる。
証明書の類も必要になるので
用意しないといけない。
もう、ヒトが亡くなっても
悲しむヒマがないって、本当やね。
分担を決める
夫は、とりあえず役所に行き、
できる手続きをするという。
ワタシはその間、義実家に行くことになった。
年金の手続きに
伴侶である義母の国民年金手帳も必要らしいが
「年金手帳なあ・・・
家の押し入れの引き出しに
入れといたと思うんやけど・・・。」
アテになんないだろうなぁ。
ゴミ屋敷である義実家での
モノさがしは、
これまで見つかった試しがない・・・。
（モノばっかりなんだから！）
それでも、ワタシは
義父の年金手帳の
保管場所を知っているので
行くしかない。
ひょっとしたら遺書等もあるかもしれないし。
そこから、久しぶりに義実家に移動
義実家は相変わらずだ。
空き家だけど、生活感にあふれ、雑然としている。
「とうとうお義父さん、
ここに帰ってこれなかったな・・・。」
義父はいつもお仏壇の前のイスに座っていた。
（そこしか場所がなかったのもある。）
神妙な気分になる。
おまけに
部屋の天井電気は切れていて、
義父の命と共に消えた様で
物悲しい。
昼間だけど、部屋の中は暗いから
カーテンと窓、雨戸も開けた。
そして、仏壇のお水を変えてからお参りをした。
捜索開始
義父の年金手帳は、すぐに見つかった。
それから
箪笥等の色んな引き出し等を開けてみたけど
遺書は出てこない。
きっと書いていないのだろう
義父は青猫に
「何かあったら、この引き出しを開けるんやで。」
と教えてくれていたのだが
その引きだしの中は、
義父が入院した後にもう見ているんだ。
ほとんど使われていない通帳類と
定期預金の証書の一枚のみで
メモや遺書はなかったんだよね・・・・。
（嫁に教える情報なんてこんなもんだよね。）
それでも、部屋にある書類を見てゆくと
生命保険やお墓、家の権利証の書類はあったので
まとめて紙袋に入れた。
しかしですな・・・・・
作業を簡単に文で表すことはできても
やっぱり いるんである・・・。
何がって！？
このブログを以前から読んでいる方ならご存知だろう・・・。
お馴染みのアイツら・・・・
Gがいるんだよ！！（ゴキブリが苦手な方は読まないでください。）
ゴミ屋敷っていうのは、
住人がいなくなり食物が減っても
Ｇは集まってくるらしい。
紙類（Ｇの食糧）はあるし、
湿度は高いし、
この家は根本的に色んな臭いが染みついている。
外からくるんだろうな。
廊下でも部屋の中にも、あちこちに転がっている。
１階にも２階にも。
（水分がとれないせいか死骸ばかりなんだけどね。）
義父の部屋にあった
大きな缶のフタを取ると
保険の証書と一緒にＧ（剥製）もいた。
なんでこんな密封された中にまでいるんだろ？
ゴミ屋敷は、虫屋敷。
こりゃアカン
感傷すら、ぶっ飛ぶ
遺品整理って、故人を思って
しめやかにするものだと思うけど
ゴミ屋敷だと、不可能！！
それから、夫が現れた。
引き続き、一緒に作業する。
（こんなこと初めてだよ！）
義父の部屋の戸棚を開けた夫が
「うわっ！？包丁が出てきた！！」
と驚いている。
「ああ、それは
最初はお義父さんの側にあったんだよ。
ドロボウよけだって言ってたよ。」
そう、
義父は以前、部屋の床の新聞紙の上に
包丁、キリ、小型のノコギリを剥き出しで、
置いていた。
すぐに手に取れるように。
昔、お義父さんは器用で日曜大工もしていたらしい。
包丁を研ぐのも上手だった。
工具類を沢山持っていた。
「親父の奴、物騒だなあ。
こんなのあったら怖くなかったかい？」
まあ、
義父の部屋に入ったケアマネさんやヘルパーさんも
ちょっとひいていたけどね。
「大丈夫だよ。
お義父さんは、ワタシとか良い人には
そんなことするハズないからね。」
ドロボウは、他にいる
お義父さんは、ずっと部屋に刃物を置いていたけど
義母が特養に入居し、
一時帰宅をしなくなった時に
その刃物を戸棚にしまった。
義母は何年も前から
お義父さんの部屋の定期預金証書を何度も盗み
自分の名義に書き換えていた。
泥棒は義母。
お義父さん、
刃物をやっとしまうことができたんだね。
良かった。
愛憎
義父の話だと
義母は
義父の年金のうち１２万を食費代として徴収し、
（そんなに食べないよね。）
さらに怪しい高額商品をよくねだって
義父にお金を出させていた。
おまけに
義父の預金を盗んでいる。
（総額何百万にもなった。）
義父は確実に、義母を憎んでいたのだが
同時に
義母の食事の用意や
身の回りの世話もしていたという・・・・。
（ワタシからみると義父の方がヨロヨロしてたのに。）
青猫には理解不能なのだが、
まさしくこれが
「愛憎」ってやつなのか・・・。
デスマッチ
義母も話していたが
義父は
「おまえを殺して俺も死ぬ。」
と、よく言ってたらしい。
２人共そう言ってるから、事実なんだろうな。
義父は、義母が施設に入った後も
一時帰宅の時は気が休まらない様子だった。
こんなものまで並べて用意するって
一体、どんな気持ちなんだろうな。
最後の独居暮らしが、義父にとって
安心できたものだったら良かったけど、
それからすぐに義父が倒れ、
こうして亡くなった今、
結果的に
デスマッチの勝者は、義母
に、間違いない。
よく研がれた包丁
３０㎝におよぶ長いキリ
殺傷能力は十分だ。
本気の防御を感じる。
そして、ボロボロの
錆びたノコギリも用意したのは
何だったんだろう？
久しぶりの義実家に色々、物思う。
とりあえず、
殺人事件が起きなくて、良かった。
義母の年金手帳は、押し入れを探しても出て来ませんでした。
この中を探せって・・・無理だよ。