ある日、
電話が来た。
義実家のご近所さん
からである。
「お家(義実家)の電気が、
先月から、
ずっとついたままですよ。」
わざわざ
教えてくれたのだ。
ありがたい。
日中だとわかりづらいが、
夜もずっと点いたままらしい。
「夫さん、実家に行った時に
電気を消し忘れたんじゃないの?」
最後に義実家に行ったのは、夫なので
そんなツッコミが出る。
「いや、電灯の点いている期間には
行ってないよ。
それに、
電気がついているのは、
親父の部屋らしい。」
「ええっ!?」
驚くにはワケがある。
義父の部屋の
電灯は、
電灯自体が
切れていたのだ。
義父の命が消えた時に、
その電灯も点かなくなった。
青猫夫婦は、
つかない電灯を
つけたり外したりして
何度も切れたことを確認したのに。
この時↓
義父の部屋の電灯は
LEDタイプだった。
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この手のLEDシーリングライトっていうのは、
交換不可能な一体型のタイプが多い。
(交換できても、買い替えの方が安かったりするんだよね。)
当然、義実家にLED電灯の
スペアがあるはずもなく、
そのまんまで放置していた。
「妙だな。誰か行ったのかな?」
普通に考えると
あの家に出入りするのは、義妹くらいなもんである。
しかし、
義実家はゴミ屋敷であるので、
実の娘だって寄りつかない。
「仮に義妹さんが行ったとしても、
あの部屋の電気が切れていることは
知らないよ・・。」
あのズボラな義妹が
頼まれてもいないのに、
空き家の電灯を交換するなんて
こと、あるワケがない。
(そもそも、そんなヒトなら介護放棄なんてしない。)
とりあえず
電灯が点けっぱなしなのを
放置するワケにも行かない
「とりあえず確認しに行くことは
必要だよね。
ワタシも行けないワケじゃないけど、
1人じゃイヤだな。
ホームレスや誰かが入り込んでいた日には
刺されるかもしれないし!!」
あの部屋には、
ノコギリやらキリやらが、揃っているのだ。
義実家の為に、危険なことはしたくない。
不安の種
ワタシのことを
心配性と感じる方は、おられるだろうか?
でも、
物騒な事件とか、起きる時は起きる。
この御時世、
ホームレスになって
困ったら
空き家に住みつくことだってあるだろう。
(少なくとも、ワタシがホームレスになったら
外よりも暖かい空き家で寝たい。)
あの古い家は、
本気になったら、
誰だって入れる。
(一応、カギはかけているけど・・簡単な鍵だし。
窓とか破ったら入れる。)
そもそも、
騙されやすい義父母が
住んでいたのだ。
これまで悪質リフォーム、
高額な健康用品、美容品やらに
お金をつぎ込んでいた。
セールスマンだって沢山来たと思う。
不特定多数の
知らない誰かが
出入りしていた可能性もある。
合鍵を作られていたとしても、
おかしくない!!
極端な話、
義父が
お世話になっていたヘルパーさん、
宅配弁当屋さん
ケアマネさん・・・
ご近所の方も含めて
あの義実家を出入りしていた人も
沢山いる。
青猫は、キーボックスを庭に設置したのだ。
そのキーボックス、
最終的には壊れて
合鍵がそのまんま
庭に置いてあったことも・・・!!
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考えれば考えるほど、
心当たりが、
沢山ある!!!
唯一、安心なことといえば
あの義実家に、
現在、金目のモノはなく、
ゴミ屋敷であることだろうか。
マトモな人で、わざわざ入ろたいヒトはいないだろう。
でも、雨風は防げるし、
水道も電気も使える!!
生活するモノは揃ってるし、
結構広い。
テレビも見れる。
ヒトによっては、格好の場所じゃないか。
「空き家問題」をひしひしと感じた瞬間。
休日に行くことにする。
「確かに、誰か居るのもありえない話
じゃないよな・・・。
子供達は留守番で、週末2人で見に行こうか?」
さすがの夫も危険を感じたらしい。
コロナで自粛中であるし、
危険なことが起きると困るので
大人だけで見に行くことにする。
ちなみに
夫は義妹に
メールで
義実家について聞いたらしいが
「行ってない。」
という返事が来た。
(やっぱり)
義実家に行く
義実家に行くとき、
ついでなので
お世話になっている義実家のご近所さんに
お菓子折りを用意する。
あと、
義実家のお仏壇に供えるお菓子も持って向かう。
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外から見た義実家は特に異常はない。
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玄関のドアは、閉まっていた。
それでも一応、
何かあったら困るので、
夫とワタシで
スマホを手にしながら玄関に入る。
緊張しながら、義父の部屋をのぞくと
誰もいなかった。
奥の部屋、居間、2階も一応チェックする。
部屋は汚いままだけど、荒らされた様子はない。
ただ、
義父の部屋の天井の電灯だけが
煌煌と点いていた。
う~ん・・・・
何かの拍子で、
切れていた電灯が
再び点いたってことなんだろうか?
それって、よくあることなのかな?
空き家なのに?
お仏壇にお供えして
お参りをした。
電灯は切った。
また点くか試したけど
もう、電灯は点かなかった。
それから夫と軽く掃除をして
義実家を後にした。
(せっかくだからもっと掃除をしたかったけど
週末だし、子供達もお留守番なので、帰宅しないといけない。)
ご近所さんの家に行く
義父の様子をよく見に行ってくれた
一番親しいご近所さんの家の玄関先を訪ねました。
本当にお世話になっていました。
「あら、おそろいで!!
急に家の電気がついたから、不思議に思ったのよ。
最初、おかあさんが施設から戻ったのかと
思ったんだけど・・・!」
久しぶりに会った隣家のおばあさんは
相変わらずしっかりされてて、
色々話してくれました。
コロナの中、心配していたこと。
ご近所さんの中に、
義父が亡くなったことを知らない方がいたこと。
ここ最近、義実家の向こう隣でも不幸があったこと。
ワタシ達は
「また何か起きたら教えて下さい。」
と他のご近所さんの分のお菓子も託し、
お礼を言って後にしました。
帰路
「何てことなかったね。」
「でも、やっぱりあの電灯は復活しなかったね。」
「一時的な接触不良かなあ。」
「不思議だね。」
そんなことを夫と話しながら、帰路に着く。
「あのさ・・・・
霊って電気系統に
反応するっていうよね・・?」
実は、ずっと思っていたんだけど。
青猫のは直接の霊感とかないから
あまりよくわかんないんだけどね。
↑ささやかな霊体験?
「そうだなぁ・・・
オヤジがやったかもな。
「もっと様子見に来い」
ってことかな。」
お義父さん、亡くなってからも
あの部屋で過ごしているんだろうか。
ちょっと感慨深い。
でも、
義父があの世から
一生懸命アピールしてくれても
やっぱりちょっと、こうゆうのは
怖いかなぁ・・・。
それに、
霊って
汚い所や臭い所が好きで
特に大勢、集まって来る
というよね・・・?
(*心霊テレビ番組とかからの知識です。)
あのゴミ屋敷は、
条件がピッタリだ。
ゴミ屋敷って、
そういう意味でも
ヤバいものだったか・・・・。
百歩譲って、
お義父さんやご先祖の霊が
自分の家の電気を点けるのは
まだいいんだけど・・・
他人の霊の仕業なら、
許さん!!
関係ない霊がやらかした
余計な電気代なんか、
払いたくない。
今回の電灯の電気代は
おおよその計算で
500円位だろうか。
それ位の被害で済んだのは
良かったけど、
もう500円、
渡し賃として差し上げるから
みんな、ゴミ屋敷から
成仏してくれ!!
頼む。
どこまでも、器の小さい青猫である。