ケアマネKさんから、お電話があった。
「病院でお義父さんの話合いを、することになりました。」
話し合いの当日、青猫が病院に行くことになった。
話合い前に
義父の所に行き、挨拶をする。
義父の様子は普通だけど、
「足が痛いのに、塗り薬だけで湿布をくれないんや・・・」
と訴えてくる。
義父の話をひととおり話を聞き、時間が来たので
病室を出て、待ち合わせ場所の
病院のロビーに向かう。
先に来ていたのはケアマネKさん。
それからすぐヘルパーのTさんが来る。
この話に出てくるヘルパーさんです。→誉め言葉と余計なひと言 鬼女の生まれる理由
会うのは久しぶりです。挨拶をする。
あとは訪問看護師さんを待つだけですが、
渋滞で来るのが遅れるらしく
しばらくそのまま、待つことになりました。
ヘルパーのTさんは一気に話してきます。
「青猫ちゃん!お義父さん、大変だったね。
施設に入るのを検討されてるんだってね。それでいいよ!!
あのお義父さんは、もう家では無理だよ。
1人でなんでもやりたがるから、
家に帰っても、そのうち転んで骨折するよ。
そうしたら、すぐに寝たきりになる!!
もう目に見えているから!
絶対施設がいいよ!!」
・・・・
プロっていうのは、
明確な意見をはっきり言うものだな
と思う。
とりあえず保健施設で考えていることを
青猫が話すと
ケアマネKさんが、気まずそうに言い出した。
「それが青猫さん、
ちょっと、お義父さんが保健施設に入るのは、
難しいかもしれません・・・。」
なんでなんで!?
それは困る。めっちゃ困る。
「お義父さん、たまに大声を出しますよね・・・。
僕は見ていませんが、そんな所があると聞いています。
老健は人が多いので、大声を出す方はちょっと・・・。
老健でも、認知症のフロアーなら受け入れは大丈夫なんです。
でも、それはお義父さんがちょっと可哀想かな・・・・って思うんです。」
ワタシはもっと簡単に
老健に入れると思っていたよ・・・。
確かに、義父はたまに大声を出すけど・・・。
でも、そう頻繁でもないよ?
確かに義父を認知症のフロアーに入れたら
怒りそうではあるけど・・・・。
するとTさんが、
「そんな!青猫嫁ちゃんが可哀想だよ!!
お子さんも小さいのに!!
何とかならないの!?」
加勢してくれる。
気持ちが、とってもありがたい。
Kさん
「そうですね・・・ちょっとまた検討してみます・・・。」
一応、言ってくれた。
と、そこに、遅れてきた訪問看護師Oさんがやってきた。
話は途中で終わる。
もう時間なので行かなくては行かない。
ちなみに、この来てくれた訪問看護師Oさんは、
義実家で倒れている義父を、救急車を呼んでくれた方である。
移動しながら、お礼を伝える。
そして、病院の話し合いの部屋である担当医師の部屋に入る。
そこにいる医療関係者から
義父の入院中の容体と、そろそろ退院をしても
良いという説明を受ける。
そこに、車いすに載せられた義父がやってきた。
なんかウルサイ。
義父に挨拶にいった訪問看護師さんと病院の看護師さんが
車椅子を押してきた。
義父が激怒している。
手には、塗り薬を持って、それを振り回している。
「コイツが!!コイツが
わしをここに連れて来たんや~~~っ!!」
訪問看護師さんを指さしている。
部屋で倒れている義父を発見して、救急車を呼んでくれた
命の恩人であろう方に対して
なんちゅう態度なんだろうか。
「コイツがワシを拉致したんや!北朝鮮と一緒や!!」
プラスチックの容器にはいった塗り薬をテーブルにガンガン
たたきつけながら、義父は車椅子に乗ったまま暴れ出した!!
まるで、怒った獣のごとく、発狂している。
「ワシは救急車でなんか来たくなかったんや!!」
ちゃんと準備してから、
タクシーにのって病院に来たかったのに!!」
そんな意味合いのことをわめいている。
この義父を止めるには、一体ここにいる中で誰が適任なんだろうか?
やっぱり、ワタシなんだろうか?
はっきりいうと、
イヤだなあ・・・と思う。
怒りポイントも、いまいち理解不可能だし。
こんなに暴れているのが
自分の身内だなんて。
「お義父さん、落ち着いてください。
救急車に乗る時は大抵みんな手ぶらですよ?」
青猫、義父を諭してみる。
義父は一瞬、黙った。
しかし、今度は病院への文句を言い出す。
「この病院は、ワシが足が痛いのに
治してくれないんや!!
湿布が欲しいって言ってるのに
全然くれないやないか~~!」
また、怒鳴り出したよ。
すると今度は急に、黙っていた担当医師が怒鳴り返してきた。
「もう、おとうさん!!一体どうしたいの?
そんなに何でもイヤなら、
もう家に帰っていいんだよっ!?」
義父は一瞬、ひるんだけど
「家に帰れるかい!!足が悪うなっとるのに!!」
また、わめき出す。
「だったら、病院にきて良かったでしょう?
言っとくけど足は、入院中にむくみが取れたよ?
だけどリハビリはしない。病院に連れてこられた。
でも、帰らない!って変でしょう?
これからどうするか話し合うために、みんな
集まっているのに!」
・・・このお医者さんは、やや短気だが、
至極真っ当な意見である。
医師は青猫に聞いてきた。
「先日の入院の時、息子さん(夫)と話はしたんですよ。
でも、息子さんはあまり困っている様には見えなかったけど、
どうなんだろう?
おかあさんも別のところに入院してるんでしょ?
2人揃ってだと介護は大変だと思うよ。
困っていないの?」
青猫、すかさず
「困ってますよ!!
少なくともワタシは困っています。
夫は、あまりそうゆうのを見せない人だけど
困っているはずです!!」
隣に義父はいたけど、ここは遠慮するところじゃない。
「お義父さんはこれまで、自分の家で
過ごしたいと言っていました。
でも、入院してからは考えが変わった様です。
だからこれからお世話になる施設を探します。
できれば特養等も検討もしているので、
要介護3をとりたいと思っています。
その時は、ご協力をお願い致します!」
お医者さん、
「そうだね。それがいいと思うよ。
おとうさん、要介護2か・・・。3とれるかな?」
看護師さんに聞いている
看護師「病名もついていますし、おそらく大丈夫だと思います。」
そこで、ケアマネKさんや、色々な方が発言し、
施設で検討しようという話で落ち着く。
お義父さんの容体は
義母よりも症状が重く、プロに頼んだ方が良い状態だと
皆が言う。
青猫
「ところで、、お義父さんに湿布を処方してもらえことは
できませんか?
今はとても湿布が欲しい様です、心の安定のために・・!」
「できますよ。処方しときます。」
お医者さんが約束してくれたので、
耳も遠く、話題もとぎれとぎれに聞こえているだろう
お義父さんに話しかけることにする。
「良かったですね!お義父さん、
湿布を頂けそうですよ!!
頼んでおきましたから!!」
義父、あっけにとられた顔で
青猫を見返す。
目の前にいる看護師さんが、笑いをかみ殺している。
ワタシは、「自分は困ってる宣言」を口に出したものだから
やや気まずいので、そのフォローをしているつもりである・・・。
一応、話がひと段落したので、車椅子を義父を病室まで連れて行く。
「なんか、すまんかったのう・・・。青ちゃん。
もう、病院の窓から、何度も飛び降りたくなったよ。
おまえらのメンツもあるから、しなかったけどなあ・・・。」
とつぶやく義父に、
「そんなこと言わないで下さいよ。
あまり怒らないでくださいね。お義父さんのお世話になるところ
夫さんと探しますからね。」
答える青猫。
そんな感じで、この日は収まった。
しかし、プライベートでは運動会やら連休やらが控えているのに
施設探しをいよいよ頑張らないと行けない。
とにかく、これだけはわかるんだ。
義父は老人保健施設には、
多分入れてもらえない。
ガマンしてたけど、ここで吐き出すよ!!
もう完全に、義父は
「認知症、暴れ老人」
と、周知されてしまった。
あんなに大勢いる時に限って、一番の大暴れが
なんで来る!?
お義父さん、普段はもっと普通でしょうが!!
老人保健施設(普通のフロアー)だって、入れそうに見えるのに!!
なんてタイミングだ!!
クソッタレ!!!
一体何が悪かったのか?
いつもお願いする神社へのお賽銭が少なかったせいなのか?
思わぬ義父の反乱に、
心の中の毒づきが止まらない。